1. はじめに 2. Windowsのマルチスレッド設備 3. 同期オブジェクトの保護対象 4. マルチスレッドの病理 5. マルチスレッドデバッギング - 実行時テストによる 6. マルチスレッドデバッギング - クラッシュダンプの分析 7. 広義のカーネルオブジェクトとしてのCRITICAL_SECTION 8 . おわりに はじめに Intel Corp.による Hyper-Threading Technology 導入により、マルチスレッドアプリケーションがMicrosoft Windows®上で効力を発揮する機会がさらに増えることが予想される。Windowsにおける従来のメインストリームとしての、デスクトップでの個人利用を前提としたGUIアプリケーションでは、マルチスレッドといってもせいぜいワーカスレッドを作業の度に生成してシングルユーザに対するユーザイン ターフェイスの応答性を担保するといったきわめて局所的な利用に留まる場合が多かった。こうした、共有メモリの中での割り込みを主目的とするような限定的で単純な利用では、マルチスレッド固有の問題が生起する確率は当然低い。